お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
真帆は蓮のマンションで初めて朝を迎えた日に彼が言っていたことを思い出していた。
マンションから見る景色が絶景だということにすら気がつかないほどに働きづめだった蓮。それは今もそれほどは変わらないけれど、少しは力の抜きどころを覚えているようにも思う。
少なくとも週末は出来るだけ休もうと心がけているようだ。
巨大な企業を背負う彼にほんの少しだけでも良い変化をもたらすことができたのならば、嬉しいと真帆は思った。
そうして自然と笑みを漏らした真帆を石川は細い目をもっと細くして見た。
「社長から聞いたよ。彼が言っていた縁談の相手は君だったんだな」
真帆は真っ赤になって頭を下げた。
「あ、あの時は…まだ、そうではなかったんですが…い、いえ、そうですね…すみません」
「いや、謝らんでいい!」
石川はカラカラと笑う。そしてホテルのスタッフから受け取った日本酒をぐいっと飲んだ。
「とにかく喜んでいるんだよ。そりゃ君はいい子で、本音ではワシの息子に…と思っとったから残念といえば残念だが」
マンションから見る景色が絶景だということにすら気がつかないほどに働きづめだった蓮。それは今もそれほどは変わらないけれど、少しは力の抜きどころを覚えているようにも思う。
少なくとも週末は出来るだけ休もうと心がけているようだ。
巨大な企業を背負う彼にほんの少しだけでも良い変化をもたらすことができたのならば、嬉しいと真帆は思った。
そうして自然と笑みを漏らした真帆を石川は細い目をもっと細くして見た。
「社長から聞いたよ。彼が言っていた縁談の相手は君だったんだな」
真帆は真っ赤になって頭を下げた。
「あ、あの時は…まだ、そうではなかったんですが…い、いえ、そうですね…すみません」
「いや、謝らんでいい!」
石川はカラカラと笑う。そしてホテルのスタッフから受け取った日本酒をぐいっと飲んだ。
「とにかく喜んでいるんだよ。そりゃ君はいい子で、本音ではワシの息子に…と思っとったから残念といえば残念だが」