お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「その壁を副社長自らとっぱらってくれたんだから、これからは遠慮なく仲良くしてもらうわよ」
そう言って微笑む彼女たちが真帆の視界で滲む。
「や、ちょっとどうしたの?!」
こんなことで泣いてしまうなんて情けないと思うけれど、それくらい嬉しかった。入社の日、大きなビルを見上げながらここには以前の職場のような温かさはないだろうと覚悟したが、全然そんなことはなかった。
巨大な企業でも働く人たちは皆優しい。
「ごめんなさい…、なんだかとても嬉しくて…あ、ありがとうございます」
真帆は涙をふいて頭を下げる。
「やだぁ、私が泣かせてるみたいじゃない。…でも入社早々上司に迫られて大変だったんだよね。可哀想に…副社長」
急に呼びかけられた蓮は眉を上げた。
そう言って微笑む彼女たちが真帆の視界で滲む。
「や、ちょっとどうしたの?!」
こんなことで泣いてしまうなんて情けないと思うけれど、それくらい嬉しかった。入社の日、大きなビルを見上げながらここには以前の職場のような温かさはないだろうと覚悟したが、全然そんなことはなかった。
巨大な企業でも働く人たちは皆優しい。
「ごめんなさい…、なんだかとても嬉しくて…あ、ありがとうございます」
真帆は涙をふいて頭を下げる。
「やだぁ、私が泣かせてるみたいじゃない。…でも入社早々上司に迫られて大変だったんだよね。可哀想に…副社長」
急に呼びかけられた蓮は眉を上げた。