お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「俺と真帆のことが噂になっていても、べつに社内恋愛なんて珍しくもないんだから放っておいてもいいだろうって思ったんだけれど…。曖昧にしておくと返って良くない憶測を呼んだりするのかもしれないと思って」
そう言って蓮はじっと真帆を見つめた。その薄茶色の瞳を見つめながら真帆はゆっくりと首を振る。
「私は大丈夫です。ちょっとびっくりしましたけど」
蓮は良かったと微笑んで窓の外へ視線を移した。
「真帆が俺に遊ばれてるとかどうせ捨てられるとか…耳障りの良くない噂もあったみたいだから。ちゃんと"婚約者"だと言っておけばそんなことを言われることも減ると思ったんだ。でもあまりかしこまった場で発表したりしたら親父が喜んで結婚まっしぐらだろう?だからあんな感じになってしまった…ごめん」
やっぱり、行き当たりばったりというわけではなかった。彼は噂になることに関しては付き合う前からずっと気にしてくれている。可能な限り守ってくれようとしたのだろう。そんなことを思ったら真帆の胸が熱くなった。そしてもう一度首をふって微笑んだ。
「本当に、大丈夫です…」
真帆は一旦言葉を切って少し考えてから口を開いた。
「それに…」
「…それに?」
蓮が鼻で湿った真帆の髪をかき分けて赤く染まる耳に囁いた。
「それに、何?真帆」
「それに…、結婚のことですけど…なんだか、すぐにしたくなっちゃいました…」
そう言って蓮はじっと真帆を見つめた。その薄茶色の瞳を見つめながら真帆はゆっくりと首を振る。
「私は大丈夫です。ちょっとびっくりしましたけど」
蓮は良かったと微笑んで窓の外へ視線を移した。
「真帆が俺に遊ばれてるとかどうせ捨てられるとか…耳障りの良くない噂もあったみたいだから。ちゃんと"婚約者"だと言っておけばそんなことを言われることも減ると思ったんだ。でもあまりかしこまった場で発表したりしたら親父が喜んで結婚まっしぐらだろう?だからあんな感じになってしまった…ごめん」
やっぱり、行き当たりばったりというわけではなかった。彼は噂になることに関しては付き合う前からずっと気にしてくれている。可能な限り守ってくれようとしたのだろう。そんなことを思ったら真帆の胸が熱くなった。そしてもう一度首をふって微笑んだ。
「本当に、大丈夫です…」
真帆は一旦言葉を切って少し考えてから口を開いた。
「それに…」
「…それに?」
蓮が鼻で湿った真帆の髪をかき分けて赤く染まる耳に囁いた。
「それに、何?真帆」
「それに…、結婚のことですけど…なんだか、すぐにしたくなっちゃいました…」