お見合い夫婦の結婚事情～カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています～

「蓮さん…」

「真帆…。ありがとう、すごく嬉しいプロポーズだ。ずっとずっと、一緒にいよう。一緒に、幸せになろう」

　間違いで出会ったようなものだった。
　はじめから互いに誤解だらけだった。
　お互いにお互いの良いところを知らないままに嫌いあってもおかしくはなかった。
　…でもそうはならなかった。
　不機嫌な上司だと思っていても真帆は彼に惹かれていたし、蓮も真帆の良いところを見ていてくれていた。
　運命的な出会いなんて古いドラマにしか出てこないと思っていたけれど、これがそうだと言わずになんというのだろうと真帆は思う。
　真帆は目を閉じて、自分を囲む逞しい腕にうっとりと身を預ける。
　そして目を閉じた。

「私も…蓮さん。愛してます」

　二人で築く未来は始まったばかり。
　二人の夜も始まったばかり…。
　真帆を包む蓮の手がジャグジーの下でゆっくりと動き出した。