お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
おまけ 小夜子と和正は
「まぁ、可愛いわ。まるでお姫様のようよ!」

「本当に!妖精のようだ!さすが小夜子さんの娘!あぁ、小夜子さんの花嫁姿を見ているようだ」

小夜子と和正が大きな声で競うように真帆を褒める。藤堂家の御用達だという衣装屋の女性が真帆の裾を整えていた手を止めてくすくすと笑った。
 真帆と蓮の結婚式に向けたウエディングドレスの衣装合わせである。

「レンタルでよかったのに…」

二人の手放しの賛辞が恥ずかしくて、照れ隠しに真帆は呟いた。

「なになに、今まであいつは働き詰めで給料は貯まる一方だっただろう。ここいらで吐き出させてやらないと経済が回らんというものだ」

「でも…」
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