お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
真帆はその場から動かずに彼の次の言葉を待った。まるでダルマさんが転んだをしているみたいという場違いなことが頭をよぎる。
鬼がめちゃくちゃ恐いけれど。
「なにか…?」
呼び止めたくせに睨むばかりで何も言わない鬼に真帆は問いかけた。
彼は逡巡している様子だったが少し不思議そうに目を瞬かせた。
「…それだけか?」
「は?」
真帆は彼の意図が全く分からずに間抜けな返事をしたまま固まってしまった。
頭の中はパニックだった。
一条にはコーヒーを出して軽く自己紹介をしてこいとしか言われていなかったはずだ。けれど副社長の口ぶりからいくとまだ何か足りないのだろう。
長く勤めればこういったボスの謎かけのような要求もわかるようになるのかもしれないが、残念ながら勤続一時間未満の真帆にはさっぱり分からない。
(どうしよう…どうしよう…)
その時ふと彼の前に置かれたゆげをたてるコーヒーに目が止まった。
鬼がめちゃくちゃ恐いけれど。
「なにか…?」
呼び止めたくせに睨むばかりで何も言わない鬼に真帆は問いかけた。
彼は逡巡している様子だったが少し不思議そうに目を瞬かせた。
「…それだけか?」
「は?」
真帆は彼の意図が全く分からずに間抜けな返事をしたまま固まってしまった。
頭の中はパニックだった。
一条にはコーヒーを出して軽く自己紹介をしてこいとしか言われていなかったはずだ。けれど副社長の口ぶりからいくとまだ何か足りないのだろう。
長く勤めればこういったボスの謎かけのような要求もわかるようになるのかもしれないが、残念ながら勤続一時間未満の真帆にはさっぱり分からない。
(どうしよう…どうしよう…)
その時ふと彼の前に置かれたゆげをたてるコーヒーに目が止まった。