お見合い夫婦の結婚事情～カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています～

「えーと君、名前は…」

「あ、い、入江真帆です！よろしくお願いします！」

真帆は慌てて自己紹介をした。緊張で少し大きな声になってしまう。藤堂がおかしそうに目を瞬かせた。

「元気だなぁ」

　にっこりと微笑む藤堂とは対照的にあいかわらず蓮は仏頂面である。それはそれで気になるが、真帆は今は藤堂に見習って無視をすることにした。

「はい！丈夫なだけが取り柄です！」

はははと藤堂が声をあげて笑う。

「丈夫なのは大事なことだよ。いや可愛らしいお嬢さんだ！」

「社長…社員に対してそのような発言は…」

からからと笑う藤堂に、一条が苦々しい表情で止めに入る。

「あいかわらず頭が固いなぁ一条は。いいじゃないかべつに」