お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
 一条は眼鏡の奥の瞳を興味深げに瞬かせる。

「…何が不明点があれば直接お話されては?…呼んで来ましょうか」

 いやいい、と蓮は首を振った。
 わかっていたはずの事実にこれほどまでに落胆を覚える自分に戸惑うばかりだ。
 でもそうであれば、なぜ彼女はあれほど清々しいまでに蓮へ興味を示さないのだろう。
 ひょっとして彼女もこの見合いに前向きではないのだろうか。潰したいと考えていてわざとその話を出さないようにしている…?
 そんなことをぐるぐると考えていると蓮の携帯が鳴った。
 蓮はもやもやとする気持ちのまま無理矢理頭から彼女を追い出す。
 そして視線だけで一条を下がらせると、携帯をタップした。
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