お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
 けれどそこまで考えを巡らせて、真帆は自分の中の変化に驚いた。
 彼は自分にとって不機嫌で接しづらい、なるべく関わりたくない上司…それだけだったはずなのに、いつのまにそんな風に思うようになったのだろう。
 そんなことをぐるぐると考えてながら、真帆は手を止めてデータを保存した。集中して作業したかいがあって、資料はほぼ出来上がった。あとは誤字脱字をチェックするだけだと思いプリントアウトして、時計を見るとちょうど20時を回ったところだった。

「うーん…」

 ドアの横にあるプリンターへ出力した資料を取りに行き真帆は大きく伸びをする。誤字脱字のチェックは明日にして今日はもう帰ろうと思ったときドアが開いた。

「きゃっ!」

「わっ…!」

蓮だった。
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