お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
その時。
それにチラリと目をやって、
「ありがとう」
と蓮が言った。
「え…?」
思わず真帆はそのまま固まってしまう。何せ、入社した日から今日までの一ヶ月間毎日コーヒーを出していたというのに、今初めてお礼を言われたのだから。
そんな真帆の反応に男性二人はこれまた驚いたようで忙しくやりとりしていた会話をやめて真帆に注目している。
一瞬、3人の間に微妙な空気が流れた。
何か言わなければと思って真帆は慌てて口を開く。
「あ…いえ、副社長がお礼を言われるのは初めてだったものですから…」
けれど言ってしまってからすぐにしまったと思った。これじゃあまるで、今まで一度もお礼を言われていなかったことを不満に思っているみたいじゃないか。
確かにまったく気にしていなかったといえば嘘になるが、よりによってそれを一条の前で言ってしまったら、まるで告げ口をしているみたいだ。
真帆は右手で口を押さえて、
「いえ…なんでもないです」
と小さい声で呟いた。
それにチラリと目をやって、
「ありがとう」
と蓮が言った。
「え…?」
思わず真帆はそのまま固まってしまう。何せ、入社した日から今日までの一ヶ月間毎日コーヒーを出していたというのに、今初めてお礼を言われたのだから。
そんな真帆の反応に男性二人はこれまた驚いたようで忙しくやりとりしていた会話をやめて真帆に注目している。
一瞬、3人の間に微妙な空気が流れた。
何か言わなければと思って真帆は慌てて口を開く。
「あ…いえ、副社長がお礼を言われるのは初めてだったものですから…」
けれど言ってしまってからすぐにしまったと思った。これじゃあまるで、今まで一度もお礼を言われていなかったことを不満に思っているみたいじゃないか。
確かにまったく気にしていなかったといえば嘘になるが、よりによってそれを一条の前で言ってしまったら、まるで告げ口をしているみたいだ。
真帆は右手で口を押さえて、
「いえ…なんでもないです」
と小さい声で呟いた。