お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「ただ常務は可愛い子が入ったなとおしゃって、入江さんがお気に入りのようでしたから、つい会話が弾んだのでしょう」
それを面白くなさそうに聞きながらさらにページをめくっていた蓮が、あるページで手を止めて眉を寄せた。
他でもない、"副社長藤堂蓮"のページだった。
「あ…」
思わず真帆は声を漏らしてしまう。
どんな小さなことも細々と書いてある他の重役や顧客とは違いそのページに書いてあるのは一つだけ。
"コーヒーはブラック"
他の人とは比べ物にならないくらいの情報量の少なさに蓮は眉を寄せたのだろう。
「なんだこれは」
と言ってそのページを真帆に見せじろりと睨んだ。
他の重役の腰の具合まで知っているくせにと言わんばかりの蓮に真帆は思わず口を尖らせた。
「し、仕方がないじゃないですか。副社長は、お茶をお入れしてもどんなお菓子をお出ししても、無表情で…なんにもわからないんですから…」
真帆の言葉に憮然とする蓮の向こうで一条と後の2人が吹き出した。
それを面白くなさそうに聞きながらさらにページをめくっていた蓮が、あるページで手を止めて眉を寄せた。
他でもない、"副社長藤堂蓮"のページだった。
「あ…」
思わず真帆は声を漏らしてしまう。
どんな小さなことも細々と書いてある他の重役や顧客とは違いそのページに書いてあるのは一つだけ。
"コーヒーはブラック"
他の人とは比べ物にならないくらいの情報量の少なさに蓮は眉を寄せたのだろう。
「なんだこれは」
と言ってそのページを真帆に見せじろりと睨んだ。
他の重役の腰の具合まで知っているくせにと言わんばかりの蓮に真帆は思わず口を尖らせた。
「し、仕方がないじゃないですか。副社長は、お茶をお入れしてもどんなお菓子をお出ししても、無表情で…なんにもわからないんですから…」
真帆の言葉に憮然とする蓮の向こうで一条と後の2人が吹き出した。