お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
朝のコーヒータイム
蓮の真帆に対する態度は目に見えて変わり始めた。
まず朝はコーヒーを持っていくと必ずお礼を言われる。それは真帆に指摘されたから言っているのだというような義務的なものではなく、彼にとってごくごく自然な行動のようだった。
おそらくこれが本来の彼の姿なのだろう。
真帆はいつか総務課で聞いた噂を思い出していた。あれは本当の話だったのだ。
「今日は、一日中良い天気です。傘は必要ありません」
なんのタイミングからか、毎日こんな風にして雑談代わりに真帆はその日の天気予報を彼に伝えるのが習慣となっていった。
それを機嫌よく聞いていた蓮が不意に真帆に尋ねる。
「…そろそろ顧客リストの私のページはいっぱいになったか」
真帆はお盆を抱きしめて首を傾げた。
「うーん…」
2人の間にかつてあった得体の知れない険悪なムードはもうない。
分刻みで業務に追われる蓮にとって朝のコーヒーの時間は、1日のうちで唯一のリラックスタイムでもあるらしくときおり真帆にどうでもいい話をして過ごすこともあった。
そんなことも真帆は心得ていて、業務中にはしないような軽口をきいたりして応える。
まず朝はコーヒーを持っていくと必ずお礼を言われる。それは真帆に指摘されたから言っているのだというような義務的なものではなく、彼にとってごくごく自然な行動のようだった。
おそらくこれが本来の彼の姿なのだろう。
真帆はいつか総務課で聞いた噂を思い出していた。あれは本当の話だったのだ。
「今日は、一日中良い天気です。傘は必要ありません」
なんのタイミングからか、毎日こんな風にして雑談代わりに真帆はその日の天気予報を彼に伝えるのが習慣となっていった。
それを機嫌よく聞いていた蓮が不意に真帆に尋ねる。
「…そろそろ顧客リストの私のページはいっぱいになったか」
真帆はお盆を抱きしめて首を傾げた。
「うーん…」
2人の間にかつてあった得体の知れない険悪なムードはもうない。
分刻みで業務に追われる蓮にとって朝のコーヒーの時間は、1日のうちで唯一のリラックスタイムでもあるらしくときおり真帆にどうでもいい話をして過ごすこともあった。
そんなことも真帆は心得ていて、業務中にはしないような軽口をきいたりして応える。