消女ラプラス
第十六章 消えゆく少女
コンテナの山の頂上で僕とラプラスは同時に目を覚ました。
壊れた天井から見える空には星が瞬いている……あれからどれくらいの間倒れていたのだろう。
「生きている……始君が生きている……!」
ラプラスはしばらく僕を茫然と見つめた後、突然抱き着いて泣き喚き始めた。
「いたたたたたッ! ラプラス頼むから離れてくれ全身が痛いッ!」
「だって……さっきまで死にそうだったから……ぐすっ……」
何とかラプラスを引きはがすと、僕は少し呆れた口調で言う。
「そういうラプラスだって、イメージの中とは言え無茶し過ぎだよ。アリアがいなかったらどうなっていたことか……」
「アリア? お姉ちゃんがどうかしたの?」
キョトンとラプラスが小首を傾げる。そうか、意識を失っていたからアリアを見ていないんだった。
「ううん、何でもない。とりあえずここから降りよう」
説明しようにも話がややこしくなるし、今はとてもそんな気力はない。
ラプラスは少し疑うような眼差しを向けたが……その時、ハッと目を見開いて耳元のインカムに手を当てた。
「ラプラス? どうしたの?」
「何故か分からないけど、システムとの接続が回復した」
「それは良かったじゃないか! これでまた予知が使える様に――」
「うん……そしてたった今、その予知が見えた」
彼女は顔を上げ、深刻な表情で告げる。
「五分後……この工場は歌姫と『システム』の戦闘員に完全包囲される」
壊れた天井から見える空には星が瞬いている……あれからどれくらいの間倒れていたのだろう。
「生きている……始君が生きている……!」
ラプラスはしばらく僕を茫然と見つめた後、突然抱き着いて泣き喚き始めた。
「いたたたたたッ! ラプラス頼むから離れてくれ全身が痛いッ!」
「だって……さっきまで死にそうだったから……ぐすっ……」
何とかラプラスを引きはがすと、僕は少し呆れた口調で言う。
「そういうラプラスだって、イメージの中とは言え無茶し過ぎだよ。アリアがいなかったらどうなっていたことか……」
「アリア? お姉ちゃんがどうかしたの?」
キョトンとラプラスが小首を傾げる。そうか、意識を失っていたからアリアを見ていないんだった。
「ううん、何でもない。とりあえずここから降りよう」
説明しようにも話がややこしくなるし、今はとてもそんな気力はない。
ラプラスは少し疑うような眼差しを向けたが……その時、ハッと目を見開いて耳元のインカムに手を当てた。
「ラプラス? どうしたの?」
「何故か分からないけど、システムとの接続が回復した」
「それは良かったじゃないか! これでまた予知が使える様に――」
「うん……そしてたった今、その予知が見えた」
彼女は顔を上げ、深刻な表情で告げる。
「五分後……この工場は歌姫と『システム』の戦闘員に完全包囲される」