アラサー女子は甘い言葉に騙されたい




 「実は、俺はホストなんだ」


 予想外の言葉に、吹雪は呆気にとられてしまった。ホストなのに甘いことを教えて欲しいとはどういう事なのだろうか?
 それに、どうして店に誘わないのか。
 全く理解出来なかった。


 「自分が働いてないホストクラブの前で話す事じゃないから………あそこに24時間やってるカフェバーがあるんだ。そこで話しを聞いてみない?お姉さんに損はないはずだから」
 「…………」



 お願いを事をするように、吹雪の顔を覗き込み、上目遣いでにっこりと微笑んだのだ。
 それでドキドキしない女性はいないだろうと思うほどの、物欲しそうな微笑を見て、これがホストの武器なのかと思ってしまう。



 吹雪はあっさりと頷いてしまっていたのだった。
 


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