アラサー女子は甘い言葉に騙されたい
25話「出会いの前の出会い」





   25話「出会いの前の出会い」



 「ごめん………泣かせちゃったね………」


 周は指で吹雪の涙を優しく拭い、申し訳なさそうな表情で謝った。


 「連絡もしないで不安にさせたよね。本当にごめん。………俺の話し、聞いてくれる?」
 「うん。私も……周くんの話し聞きたいよ」
 「ありがとう。そこのソファに座ってて………」


 そういうと、周は1度吹雪から離れて、ギャラリーの入り口を閉めた。そして、「CIose」と看板をドアノブにかけて戻ってきた。


 「え………閉めちゃうの?」
 「うん。このギャラリーは、吹雪さんに来てもらうために準備したから」
 「私のため?」


 吹雪は驚いて声をあげると、周はクスクスと笑って、吹雪の手を取った。そして「そうだよ」と言いながら、ソファに招いてくれた。
 窓際に置かれたソファに座ると、飾られている周の食器が全て見ることが出来た。吹雪は特等席だなと、思った。




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