アラサー女子は甘い言葉に騙されたい
そう言うと、周は吹雪の顎を優しく支え、後ろを向くようにと指先で導く。そして、振り返りながら周からのキスが降ってくる。何度も何度もキスをするうちに、吹雪の体はいつの間にか周の方を向いており、隙間などないように2人はピッタリと体を寄せあってキスを繰り返した。口の中を貪るようなキスは、静かな部屋に荒い呼吸や水音を響かせた。キスの感覚だけではなく、その音が更に2人を興奮させていた。
「はっ………ん………」
「ん………ダメだ………止まらなくなる」
周はそう言って、髪をかきあげてながら吹雪を間近で見下ろした。その視線はギラギラとした動物的なもので、食べられてしまいそうだと吹雪はゾクリと体を震わせた。
「俺、初めてだから上手くないかもしれないけど……大切にさせて欲しい」
「うん………」
「吹雪さんの事、貰ってもいい?」
「うん…………いいよ」
吹雪が恥ずかしがりながらも、濡れた瞳のままで返事をすると、周は短いキスを吹雪の唇に落としたのだった。