アラサー女子は甘い言葉に騙されたい



 「えっ……と………周……くん?」


 自分でもわかる。
 今、自分の顔が真っ赤になっていると。少し俯きながらそう言うと、吹雪の顔を覗き込みながら見ていた周が、とても満足そうに微笑んだ。

 「うん。それがいいな」


 と、弾んだ声と共に喜んだ表情を見せてくれたのだった。


 「あのね、話し方は……もしかしたら敬語になっちゃうかもしれないから。慣れるまで許してくれると嬉しい………です」
 「うん、それは大丈夫だよ」
 「あ、ありがと……」
 「でも、1週間過ぎたらペナルティーね」
 「………え……」
 「そうだなー……もし1週間経っても敬語使ったら、呼び捨てで周って呼んでね」


 その条件を聞いて、今すぐにでも慣れないといけない、と吹雪は心に決めたのだった。


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