アラサー女子は甘い言葉に騙されたい
17話「未来の中の彼」





   17話「未来の中の彼」





 「………そんな事があったんて………」
 「いろいろ話せなくてごめんね」


 吹雪は、自宅に招待した麗に向かって、頭を下げた。前回とは逆だな、と思ってしまう。
 麗には、周との出会いと約束の内容を伝えた。ホストという言葉が出てきた瞬間、絶句していたけれど、それでも麗は最後までしっかりと話しを聞いてくれていた。

 そして、つい先日周を家に入れた時の話しをしたのだった。
 前は話そうか迷った事だった。
 友達で麗は信用しているはずなのに、呆れられたらどうしようかと思ってしまう。それが自分の弱さだと吹雪もわかっていた。
 けれど、周に話したいと思えたように、吹雪は麗に話したいと思えるようになってきた。
 それは誰かを好きになった。そんな気持ちからなのかもしれない。


 「………大胆すぎた、かな。こんな出会いとか関係っておかしいよね?」


 恐る恐る、彼女の顔色を伺いつつそう言うと、麗は真面目な表情のままに口を開いた。


 「吹雪ちゃん、やるね!」
 「………え?」
 「そんな出会いなかなかないし、しかも年下をゲットするなんて……。そして、一緒に寝ちゃったんでしょ?吹雪ちゃんは勿体無いなーって思ってたけど、やる時はやるのね!」
 「麗ちゃん………私、まだ付き合ってないし、寝るのも本当に一緒に寝ただけで、そのー………何もしてないんだよ?」
 「えー?そうなのー?」
 「そうなの!!」


 疑いの眼差しで吹雪を見た後に、麗はニヤリと笑った。


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