アラサー女子は甘い言葉に騙されたい




 麗と話しをして力を貰えた次の日。
 張り切って仕事をして、いつもより笑顔だったのかもしれない。同僚に「何かいいことでもあった?」と聞かれてしまった。
 悩んでいても仕方がないのだ。
 まずは、周との時間を大切にして、そしていつかは彼に気持ちを伝えよう。
 そう思っていた。


 仕事を終えて、近くのスーパーマーケットで食材を買って帰宅した。
 夕飯を作り、お風呂にも入った。
 次に会う日の話しをしたく、メッセージを送っていたが、この日は周から連絡が来なかった。
 連絡が遅くなる日もあったので、忙しいのだろうと思いつつも、スマホが気になってしまい、手放せなくなっていた。

 日付が変わる少し前の時間。
 吹雪は寝る前のスマホチェックをベットの上でしていた。
 それでも、周からの連絡はなかった。


 「………朝起きてメッセージが来てるといいな」


 そう思って、スマホをベットに置いた瞬間だった。



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