アラサー女子は甘い言葉に騙されたい
「ほら……お水持ってくるから……」
彼の力が少し緩んだ瞬間に、周の腕から抜け出し、吹雪は彼から離れた。
けれど、すぐに腕を掴まった。
「ぇ…………」
「………」
「ちょっ………周くん………」
吹雪はそのまま彼に引っ張られながら、部屋の中を歩いていく。
そして、彼に連れてこられたのは寝室。
つい先日、彼と2人で寝た、あのベットがある。
先ほどまで吹雪が起きていた場所なので電気はつけっぱなしになっていた。
周は、ベットの前で吹雪の手を離し、そして吹雪をベットに押し倒した。
倒された衝撃で吹雪は思わず小さな悲鳴を上げながら、目をギュッと閉じた。そして、目を開けると、目の前に周の顔があった。
熱を帯びた瞳は少し潤んでいて、頬は赤く染まっている。周はスーツのジャケットを乱雑にに脱ぎ、ネクタイを片手で乱暴に緩めた。
その行動一つ一つがとても色っぽく、艶やかで、吹雪はドキンッと胸が鳴った。そして、今の自分は彼と同じぐらい顔が赤くなっているのがわかった。