アラサー女子は甘い言葉に騙されたい
「朝御飯食べる?軽いものにしておこうか?」
「………あの吹雪さん、今日は仕事おやすみ?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、昨日のお詫びにブランチご馳走する。それに、連れていきたい所があるんだ」
「…………わかった。じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」
吹雪はそう言って彼の提案を承諾した。
周は嬉しそうに「ありがとう!」と笑った。
正直、彼と1日過ごすの事に戸惑いがあった。けれど、今日で最後かもしれない。そうなるならばわ彼との最後デートを楽しもう。そう思ったのだ。
周は昨日はホストの衣装のまま帰宅したようで、私服は持って帰ってきていた。彼がシャワーを浴びている間に吹雪も出掛ける準備をした。
そう言えば、素顔を彼に見られていたのだなと思うと、今さらながら恥ずかしさを感じてしまい、彼が戻ってくる前に身支度を整えようと、早めに準備を整えた。
お気に入りのワンピースにロングのカーディガンを合わせて、髪は何度もとかして艶々にした。彼に想いを伝えるのだと思うと、気合いが入ってしまう。けれど、泣いてしまうかもしれない………。そう思うと、アイメイクは控えめにしたのだった。