メーティスの出会い

玲奈は、とても食が細い。研究を始めたら食事を忘れてしまっていることもあり、百六十という身長にしては体重が足りていないのは明らかなほど細い。

「玲奈、あたしのパン一つあげるよ。小さいやつ！」

「わ、わかった……」

美咲は玲奈が奇妙な実験をしていようと、顔色を変えることはない。しかし、看護師としてか玲奈の栄養状態に関しては口を出す。玲奈も、美咲の言うことは聞くのだ。

コンビニのイートインスペースで昼食を食べた後、透たちは街の市場へと向かう。漁師街ということもあって魚がたくさん売られていた。しかし、その通りは人が少ない。

「わあ！おいしそうなアジ！」

美咲がグイッと透の手を引き、近くにあった魚屋へと連れて行く。確かに、新鮮そうな数々の種類の魚が並べられていた。

「へえ〜……。鯛ってこんなに高いんですね！普段食べることがないので驚きました」

「刺身もあっさりしていておいしいけどね、ホイル焼きも絶品よ〜！バター醤油か味噌がおいしいね〜」