メーティスの出会い

三 犯人探し

子どもたちは、給食を食べ終えて五時間目の授業が終わった頃に腹痛を訴え始めたらしい。そしてすぐに病院に搬送された。

「この街で病院はここしかない。人々はアニサキス症であれどんな病気であれ、ここに来るそうだ」

村田刑事と共に透たちは宮下病院に向かう。そして病院の中に入った刹那、透は目の前の光景に呆然となった。

「うわぁぁぁぁ！！痛いぃぃぃぃ！！」

「先生！助けて！！」

痛みで子どもたちは待合室で泣き叫んでいる。診察室は大病院のようにたくさんあるわけではなく、一人の診察と処置に時間がかかっているらしい。

透の体は震えた。研修医として病院にいた頃でさえこんな悲惨なシーンは見たことがない。まるで戦争映画の一部のようだった。

「あのッ！あたし、看護師です。手伝わせてください！！」

美咲が看護師に話しかけ、着替えるために玲奈たちから離れていく。玲奈は何も言わずに見送っていた。

「……この様子だと院長に話は聞けなさそうだな」