恋に負けるとき
ミエナイ心の巻
ふるえて
怯えている?
また、あの表情。
まるで、傷ついたような表情の田所さん。
瞬間で心臓が冷えた。
「ごめん」
急いで、手を離す。
「おれ、ほんと、ごめん」
俺、マジでサイテーじゃん。
何やってるんだよ。
あんな顔させたいわけじゃない。
あんな風に泣かせたいわけじゃない。
おれは
おれは
自分の気持ちばっかおしつけて、
こんなやつ
好きになってくれるわけねーじゃん。
好きだから。
ほんとに、きみ以外見えないくらい
好きだから。
隣にいて欲しかった。
俺の隣にいて欲しかった。
だけど、何度も
謝るようなことしかできなくて
キミを傷つけるだけの恋なんて
もう
あきらめなきゃ。
俺は失恋したんだ。