恋に負けるとき



こんな弱虫なわたしに




渋谷くんはずっと




諦めないでいてくれて




何度も魔法みたいに



好きだって



言葉をくれて




ほんとはね。



あのとき



放課後。時間くださいって言ったあのとき。




「好きです」って




「こんな私でもいいですか」




って言いたかったの。




いつも私のことばかり




守ってくれる渋谷くんに



自分ばかり守るのやめて



頑張ってみようって



踏み出してみようって思ったの。



だけど、やっぱり駄目なわたしは



渋谷くんがすごく近いことに

 


くちびるが触れそうなくらい近いことに




びっくりして




ドキドキしすぎて




渋谷くんを傷つけた。




こんな私、渋谷くんがもう




好きじゃなくなって



当たり前で



泣いちゃだめ。



泣くなんてずるい。




そう思ったのに


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