恋に負けるとき
その後の渋谷くんと田所さん
昼休みの非常階段
「何か怒ってない?」
「えっ。怒ってなんかないよ!全然!」
「大丈夫だよ。うん?」
「ほんとのところは?」
「え…
えっと。ただ…、さっき
しぶ…トオルくんが
バレーしてるとき、3年生の
すごいキレイな先輩とかが
応援してたから…やっぱり
すごいなぁ。って思ってただけ、
だよ?」
「え、いつ。さっき?
3年とかいたっけ。ていうか
唯いたの?」
「さっきだよ?すごい。
キャーキャー言われてたもん。」
「んー。おれがあん時何考えてたか
ほんとのとこ、言っていい?」
「頭ん中ずっとこの前、唯と見た映画の曲が
流れてて。
唯かわいかったなぁ。とか
今日の唯のお弁当何かなぁ。とか
今日キスできるかな。とか
考えてた」
「おれの頭ん中、唯ばっかりなんだけど」
チュ。