続・闇色のシンデレラ
その刺激を受けて、本題に入ろうと思った。
「それでね、性別が分かったから、名前を考えようと思って」
「名前か……いろいろ考えたが男となるとまた悩むな」
「そう?」
「ああ、名は体を表すからな。ちゃんとした由来があった方が子どもがその通りに生きようとする」
「そうかな?」
「実際俺と颯馬がそうだ。
俺の名前の由来が志高く勇ましく、だったから、ガキの頃は言葉の響きに憧れた。
そんな男になろうと、思ったりするわけだ。素直なガキの頃は」
「素直な頃は、ね」
「あ?」
ちょっとからかうと、目を細めて睨みをきかせる志勇。
「ごめんって」というと彼は話を再開させた。
「颯馬は親父の韻を踏んで颯馬、だったらしいが、字が颯爽の颯に馬、だろう?
それであいつ、由来を知ったら『風のように軽く馬のように速くなる!』って言って気づけば、性格まで掴みどころのない軽い大人になってな」
「ぶっ、はは……」
無邪気にそう言った、幼い頃の颯馬を思うと吹き出してしまった。
彼らの幼い頃のエピソードを聞くのはすごく楽しい。
それだけ仲のいい兄弟なんだと思うと、私も心が温まる。
「それで……」
すると志勇は急にまじめな顔をして、わたしと目線を合わせる。
「壱華は、何か、考えてるんだろう?」
「……」
「俺たちの子どもの、名前」
そう言ってうっすらと笑う志勇は美しかった。
答えるように微笑み、自分の考えを伝えることにした。
「それでね、性別が分かったから、名前を考えようと思って」
「名前か……いろいろ考えたが男となるとまた悩むな」
「そう?」
「ああ、名は体を表すからな。ちゃんとした由来があった方が子どもがその通りに生きようとする」
「そうかな?」
「実際俺と颯馬がそうだ。
俺の名前の由来が志高く勇ましく、だったから、ガキの頃は言葉の響きに憧れた。
そんな男になろうと、思ったりするわけだ。素直なガキの頃は」
「素直な頃は、ね」
「あ?」
ちょっとからかうと、目を細めて睨みをきかせる志勇。
「ごめんって」というと彼は話を再開させた。
「颯馬は親父の韻を踏んで颯馬、だったらしいが、字が颯爽の颯に馬、だろう?
それであいつ、由来を知ったら『風のように軽く馬のように速くなる!』って言って気づけば、性格まで掴みどころのない軽い大人になってな」
「ぶっ、はは……」
無邪気にそう言った、幼い頃の颯馬を思うと吹き出してしまった。
彼らの幼い頃のエピソードを聞くのはすごく楽しい。
それだけ仲のいい兄弟なんだと思うと、私も心が温まる。
「それで……」
すると志勇は急にまじめな顔をして、わたしと目線を合わせる。
「壱華は、何か、考えてるんだろう?」
「……」
「俺たちの子どもの、名前」
そう言ってうっすらと笑う志勇は美しかった。
答えるように微笑み、自分の考えを伝えることにした。