続・闇色のシンデレラ
ついた先は洋菓子店。なんでも司水さんの息子にケーキを買ってあげると約束したらしい。
相変わらず、壱華は優しい。
俺は壱華より先に車から降りて、周辺に不審な点はないかと見渡し、何もないようだったから、壱華が座っている側の車のドアを開けた。
壱華はゆっくりと白く細い脚を覗かせ、やがて砂利の地面につま先をつける。
ところがだ。日に日に大きくなるお腹で足元が見えなかったのか、それとも俺という存在を前に少し緊張していたのか。
「あっ……」
壱華は立ち上がった瞬間によろけてバランスを崩した。
とっさに掴んだか細い腕。
すると壱華はぎょっとしたように驚いた顔のまま表情を凍らせた。
……“あれ”が、過ぎったのか。
「……ごめん」
俺は謝って素早く手を放した。
壱華は何か言いたそうに口を開いたが声になることはない。
そんな不可思議な空気にもどかしさを感じたのか。
「壱華さん、行きましょう」
「ありがとう、凛」
凛太郎が俺と壱華の間に入って、壱華に歩くよう促した。
そいつは離れ際に俺の顔を見つめ、懐疑とも取れる不思議そうな顔をした。
相変わらず、壱華は優しい。
俺は壱華より先に車から降りて、周辺に不審な点はないかと見渡し、何もないようだったから、壱華が座っている側の車のドアを開けた。
壱華はゆっくりと白く細い脚を覗かせ、やがて砂利の地面につま先をつける。
ところがだ。日に日に大きくなるお腹で足元が見えなかったのか、それとも俺という存在を前に少し緊張していたのか。
「あっ……」
壱華は立ち上がった瞬間によろけてバランスを崩した。
とっさに掴んだか細い腕。
すると壱華はぎょっとしたように驚いた顔のまま表情を凍らせた。
……“あれ”が、過ぎったのか。
「……ごめん」
俺は謝って素早く手を放した。
壱華は何か言いたそうに口を開いたが声になることはない。
そんな不可思議な空気にもどかしさを感じたのか。
「壱華さん、行きましょう」
「ありがとう、凛」
凛太郎が俺と壱華の間に入って、壱華に歩くよう促した。
そいつは離れ際に俺の顔を見つめ、懐疑とも取れる不思議そうな顔をした。