続・闇色のシンデレラ
光冴さんの好きな物はだいたい分かるってことは、結構な付き合いなのか?
まさか若と会う前に恋人として交際してた、とか?
いや、でもあんなギクシャクするかな?
「光冴さんってどんなケーキが好きなんですか?」
「チョコレートかな。生クリームは好きじゃないって言ってた」
「へえ、よくご存知ですね、壱華さん」
「……うん」
なぜか、光冴さんの話題を出すとどんどん声に張りがなくなっていく壱華さん。
顔色はなんだか暗く感じる。
触れちゃいけない話だったのかな。
そう思ってハッとして思い出した。
壱華さんは若と会う前に、壮絶な人生を送っていたことを。
そうだ、壱華さんは会って間もない頃、俺に全てを打ち明けてくれたんだ。
特に若に助けられる直前は悲惨だったと。
……まさか。
「バーに来る時は、たまにわたしにチョコレートケーキを買ってきてくれた。
なんでいつもチョコ?って聞いたら『壱華ちゃんは生クリームいっぱいのケーキよりよりチョコっぽい』って……懐かしいな」
懐かしいと言った壱華さんの横顔はひどく悲しげなものだった。
その時、まずいことをしたと思った。
俺は察してしまった。
バーで働いていた時の、よく来る2人の高校生の話。
彼らは義理の妹の手によって騙され、冤罪をかけられた挙句暴力を振るわれ裏切られた、今も繰り返す悪夢の元凶になったのだと。
その1人が光冴さんだとしたら?
そういえば、壱華さんが語っていた人物像に彼はよく似ている。
……俺はなんてことを詮索しようとしたんだ。
まさか若と会う前に恋人として交際してた、とか?
いや、でもあんなギクシャクするかな?
「光冴さんってどんなケーキが好きなんですか?」
「チョコレートかな。生クリームは好きじゃないって言ってた」
「へえ、よくご存知ですね、壱華さん」
「……うん」
なぜか、光冴さんの話題を出すとどんどん声に張りがなくなっていく壱華さん。
顔色はなんだか暗く感じる。
触れちゃいけない話だったのかな。
そう思ってハッとして思い出した。
壱華さんは若と会う前に、壮絶な人生を送っていたことを。
そうだ、壱華さんは会って間もない頃、俺に全てを打ち明けてくれたんだ。
特に若に助けられる直前は悲惨だったと。
……まさか。
「バーに来る時は、たまにわたしにチョコレートケーキを買ってきてくれた。
なんでいつもチョコ?って聞いたら『壱華ちゃんは生クリームいっぱいのケーキよりよりチョコっぽい』って……懐かしいな」
懐かしいと言った壱華さんの横顔はひどく悲しげなものだった。
その時、まずいことをしたと思った。
俺は察してしまった。
バーで働いていた時の、よく来る2人の高校生の話。
彼らは義理の妹の手によって騙され、冤罪をかけられた挙句暴力を振るわれ裏切られた、今も繰り返す悪夢の元凶になったのだと。
その1人が光冴さんだとしたら?
そういえば、壱華さんが語っていた人物像に彼はよく似ている。
……俺はなんてことを詮索しようとしたんだ。