続・闇色のシンデレラ
ゆるやかな坂を車で登り、ほんの数分でたどり着いた、丘の上の公園。

広いこの敷地には、公園を囲むようにランニングする人、カラフルな遊具で遊ぶ子どもたちとそれを見守る親子、散歩をする老人の姿などが確認できる。

人が多い場所は返ってわたしたちにとっては安全だ。

整備された公園の駐車場に車を停め、光冴に誘導されるように車から出た。



「へぇ、こんなところに公園があったんですね」

「うん、前から来たいと思ってたんだ」

「……あれ?壱華さんここに来るの初めてなんですか?」

「そうだよ、話を聞いてからずっといつか来ようって考えてた」



わたしは光冴の後ろ姿を見つめながら凛と会話を続けた。

光冴の背中は以前に増してたくましくなっている気がした。



「ねえ、光冴」



ふと、彼に話しかける。



「展望台ってどこだっけ?」



話しかけたのは、彼がここをよく知っているからだ。

この公園から見る景色が最高なんだと、話してくれたのは光冴だったから。

過去に妹によって苦しんだ逆境を乗り越えて蘇る想い出は、なぜか懐かしく暖かいものだった。
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