続・闇色のシンデレラ
「おなかいたいいたいなの?」



絆は小さな手でわたしよおなかをさすってくれる。

絆の妊娠時とは比べ物にならないほど大きく張ったお腹には内臓が押し上げられて食欲がなくて、毎日悪戦苦闘している。



「ありがとう絆、大丈夫だよ」

「ままー、あかちゃんもうあえう?」

「もうちょっとだよ。楽しみだね」

「うん!“とわ”と“せつな”にあえうねぇ」



2歳を過ぎた絆はずいぶんおしゃべりが上手な子だった。

舌の発達が未熟だから、ら行が言えないのがまたかわいい。



「ほら、絆。ままには後でいっぱい遊んでもらいな。
今は俺と遊ぼう」

「いーよ、りんにいたん抱っこ!」

「はいはい」



ダイニングテーブルまで絆を迎えに来てくれた凛も、17歳になり見違えるほど背が伸びた。

声も低くなったし、あれだけ細かったのに、今じゃ力さんに付き合って筋トレをしてるみたいだから身体付きも大人顔負けにいい。

何よりイケメンだし、早く彼女とか連れてこないかなと最近ちょっと期待している。
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