続・闇色のシンデレラ
「子供の成長ってすごいなあ」

「ほんとですね、昨日までバブだったのに」

「凛もだよ」

「へ?俺?まあちょっと背は伸びたかなって感じですけど」

「今何センチだっけ?」

「175cmです」

「すごい!2年の間に20cmも伸びたんだね」

「ははっ、俺もびっくりです。……ていうか、若に視線で睨み殺されそうなんで俺は大人しく絆と遊んでおきます」



そう言われて自分の旦那を見ると、本当に人を睨み殺せそうなくらいの恐ろしい表情で凛を睨んでいる。

……もう、志勇の嫉妬深さは相変わらずだなあ。

だけど、凛はずいぶん志勇に耐性がついたみたい。

彼はきっとこの世界をのし上がっていくだろうな。



「いつまで凛太郎に熱視線向けてんだ壱華」



いろいろ考えてたら、イライラ全開の志勇に話しかけられた。



「ん?弟がいたらこんな感じなんだろうなって」

「弟ねえ、実際いたらウザったいだけだぞ」

「でも仲良いよね、志勇と颯馬」

「ガキの頃は喧嘩ばかりだったけどな。大人になってからだ、口で喧嘩するようになったのは」

「喧嘩っていうのは対等な関係だからこそできるからね。
喧嘩できるうちはまだ幸せだよ」



そういうと志勇は顔を曇らせた。
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