続・闇色のシンデレラ
「わぁ、絆上手だねえ、すごいすごい」



絆はスケッチブックにクレヨンを使って絵を描いていた。

わたしが褒めるとそれはもう嬉しそうにニコニコと笑う。



「……ねえ志勇」



絆を見つめたまま、志勇に話しかけた。



「わたしはこの幸せが続くならそれでいいと思ってる。
見えない未来を危惧するんじゃなくて、身近な幸せを感じ取れるならそれでいいと思うよ」

「……」

「あ、蹴った。ほらこの子たちもそう思うって」

「フッ……そうだな」



志勇は硬い表情を崩して笑い、絆を見つめた。



「あれだけ色んな人間に愛情いっぱいに育てられりゃ、曲がったりするわけねえもんな」

「うん、パパにもいっぱい可愛がってもらってるし」

「そりゃお前にそっくりな子が可愛くないわけねえだろ」

「……ふふ」

「なんだよ」

「パパって言っても嫌がらなくなったと思って」



そう言うと志勇は苦笑いした。
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