続・闇色のシンデレラ
妊娠37週目、予定帝王切開により無事に双子の男女を出産した。

局部麻酔だったのでわたしは赤ちゃんの産声を聞くことが出来た。

先に助産師さんに取り上げられたのは、小さな鳴き声の女の子。

続いて抱き上げられたのは、大きな鳴き声のとびきり元気な男の子。



「永遠、刹那、やっと会えたね」



女の子が永遠、男の子が刹那。

わたしは赤ちゃんの顔を見た途端に、目頭が急に熱くなって泣いてしまった。

わたしの手をずっと握ってくれていた志勇の手をぎゅっと握る。

すると志勇も強く握り返してきた。



「志勇……っ」



ふと顔を上げると───志勇が泣いていた。

はらはらとこぼれ落ちる涙はとても美しかった。

なんて綺麗な泣き顔なんだろう。

じっと見つめていると、志勇は急に涙を拭い出した。

そして視線を執刀医の鳥飼先生の方へ向けると。



「なんだその目は」



なんと泣いているところをガン見されたのが嫌だったのか、お医者さんを威嚇したのだ。



「……志勇」



いくら恥ずかしかったからって、照れ隠しが怖すぎるよ。

だけどなんだか安心して笑ってしまった。
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