続・闇色のシンデレラ
「えへへ、そっかぁ。
出会った時は17歳だったのに、こんな長い時間志勇と一緒にいるんだね」

「っ……」



だけどわたしがヘラッと笑ったら、目を丸くして手を離した。

そして何も言わず今度は力強く抱きしめてきた。



「可愛すぎるだろ……いい加減にしろよ」

「え?怒ってる」

「ああ、嫁が意味わからんくらいかわいくてキレそうだ」

「なにそれ」



相変わらずの惜しげない愛情表現に思わず笑った。

そんなわたしを志勇は満足げに撫でながら呟いた。



「ほんと素直になったな、壱華」

「うん、言いたいこと言えるようになって強くなったし、ちょっと図太くなったよ」

「それ自分で言うか?
まあ上等だ、極道の妻なんだからそれくらいでないとな」

「極道かあ……いずれ絆たちも同じ道を行くのかな」

「さあな、生き方は自分で見つけるもんだ。
強制はしねえよ、自分らしくが一番だ」

「そうだね」



自分らしく、それは志勇が教えてくれたことだ。

彼のおかげでわたしはこうやってのびのびと暮らせているから、本当に感謝してもしきれない。
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