続・闇色のシンデレラ
「お前と会う前は自分が家庭を持つなんて想像できなかったな」

「わたしも志勇が子煩悩だなんて思わなかった」

「そりゃお前にそっくりな子ならかわいいさ。
……刹那は誰に似たのか分からねえが」

「みんな混乱してるらしいね、顔は志勇に瓜二つなのに性格が全然違うって」

「あれは多分演じてるぞ。後を継ぐのが相当嫌なんだろうな。
まあだがそれでいい。ヤクザなんてやるもんじゃねえ」

「でも、志勇がその筋の人じゃなかったらわたしと出会えてなかったよ」



笑いかけると、志勇も優しく笑ってくれた。

そしてわたしの腰に腕を回すと、優しく抱きしめた。



「いい女になったな、お前は俺の誇りだ」

「全部志勇のおかげだよ、私を選んでくれてありがとう」



シンデレラストーリーなんて実現しない。人生に悲観していたわたしに希望を見出してくれた志勇。

結婚しても、母親になっても変わらず愛情を注いでくれる彼のことが愛おしくてたまらない。

お互いの瞳を見つめ合い、幸せを噛み締めながらキスをした。







おしまい
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