続・闇色のシンデレラ
SIDE 颯馬
事務所の若頭の部屋をノックして開けると、目を疑う光景が広がっていた。
いつもは早く帰りたいがために鬼の形相で仕事に取りかかってる兄貴。
しかし今日、目の前にあるのは───
「志勇、仕事は?こんなふざけてる場合じゃないでしょ?」
「ふざけてねえ、甘えてんだ」
応接用のソファーに寝転がり、壱華ちゃんに膝枕してもらって甘えてる、威厳もクソもない兄貴の姿。
「兄貴、頼んでた資料取りに来たんだけど」
けど、ツッコミを入れるのも疲れたため、本題だけ終わらせてちゃっちゃと帰ろうと思った。
「あ?デスクの上」
「こら、自分で渡さないと!せっかく回収しに来てくれたのに」
あの兄貴が叱られてる様に苦笑いして、デスクの上にある大量の資料を手に取る。
4月になったことだし、直参だけで100近くあるそれぞれの組の最新情報に目を通して印を押し、更に慶弔委員長らが決定した予算案、会計報告に関しては改善点などを記入するようお願いしていた。
まさか終わったはず無いだろうと分厚い封筒から取り出してチェックすると。
「マジかよ」
……うざいほど完璧。
「どうだ」
「文句の付け所がありません」
「だろうが、だから今日の仕事は終わり。俺は壱華に甘えていいってわけだ」
「え?そんなこともあろうかと明日の分の仕事も持ってきたんだけど」
威張って胸を張る狼にすかさず、脇に挟んでた追加の資料、及び二次団体の組織別情報を掲げた。
「……却下だ」
それを目にするなり、気持ち悪いものでも見たかのように顔をしかめる兄貴。
しかし一旦そっぽを向いたかと思うと、再び起き上がり、嬉々としてこう言った。
事務所の若頭の部屋をノックして開けると、目を疑う光景が広がっていた。
いつもは早く帰りたいがために鬼の形相で仕事に取りかかってる兄貴。
しかし今日、目の前にあるのは───
「志勇、仕事は?こんなふざけてる場合じゃないでしょ?」
「ふざけてねえ、甘えてんだ」
応接用のソファーに寝転がり、壱華ちゃんに膝枕してもらって甘えてる、威厳もクソもない兄貴の姿。
「兄貴、頼んでた資料取りに来たんだけど」
けど、ツッコミを入れるのも疲れたため、本題だけ終わらせてちゃっちゃと帰ろうと思った。
「あ?デスクの上」
「こら、自分で渡さないと!せっかく回収しに来てくれたのに」
あの兄貴が叱られてる様に苦笑いして、デスクの上にある大量の資料を手に取る。
4月になったことだし、直参だけで100近くあるそれぞれの組の最新情報に目を通して印を押し、更に慶弔委員長らが決定した予算案、会計報告に関しては改善点などを記入するようお願いしていた。
まさか終わったはず無いだろうと分厚い封筒から取り出してチェックすると。
「マジかよ」
……うざいほど完璧。
「どうだ」
「文句の付け所がありません」
「だろうが、だから今日の仕事は終わり。俺は壱華に甘えていいってわけだ」
「え?そんなこともあろうかと明日の分の仕事も持ってきたんだけど」
威張って胸を張る狼にすかさず、脇に挟んでた追加の資料、及び二次団体の組織別情報を掲げた。
「……却下だ」
それを目にするなり、気持ち悪いものでも見たかのように顔をしかめる兄貴。
しかし一旦そっぽを向いたかと思うと、再び起き上がり、嬉々としてこう言った。