ハグルマ、そしてハグルマが。
目を覚ますと、清潔感のある白い天井が視界に広がっていた。
とにかく、わたしの知らない空間であることは確かである。
ここが病室であることを悟ると同時に、周りから複数人の声が聞こえてきた。
わたしが寝ているベッドの周りを、看護師さんを含め4〜5人が囲んでいる。
「……誰?」
わたしの呟きで、ベッドを囲む安堵の声たちが一瞬で消えた。
全員女性で、同い年くらいだろうか。まじまじと見つめるわたしを、不安そうにまじまじと見つめ返してくる。
「……七瀬ちゃん、誰って、どういう…?」
ひとりが、この静かな空間で声を発した。
この人が、誰なのか、
「わからない」