君と生きたい 〜震災が起こった日〜
プロローグ
小高い丘の上。
街の景色を眺めていた。
季節は冬。
3月初旬だが屋根に積もる雪はまだ溶けず
ここから見える景色は一面真っ白で
不思議な空間を演出していた。
小さい頃から見ている風景。
相変わらず綺麗だと思う。
雪がヒラヒラと散るように降る中
特に目印も何も無い地面に
花を供えた。
花にも雪がヒラリと落ちて、すぐ溶けた。
目を瞑り、手を合わせる。
ここでこうしていると、あの時のことが昨日のことのように思い出せる。
あの日も、今日のような雪が降っていた。
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