エレベーター
☆☆☆
事務の清田先生はパソコン作業を途中で止めて廊下まで出てきてくれた。
頭部は随分寂しくなってきていて、お腹もポッコリと出ている。
しかし眼鏡の奥のたれ目が可愛らしくて、女子生徒からは祖父のような存在として好かれていた。
「あのエレベーターはもう20年は使われてないよ」
清田先生にあたしたちは目を見交わせた。
それほど昔の話になるとは思っていなかった。
「ちょうど新校舎が建て増しされた時に使用禁止になったから、そのくらいだね」
そういえば入学してすぐの頃、新校舎設立20周年というイベントを全校生徒で開催していたっけ。
「昔は障害者の生徒さんたちが多くいたんですよね?」
充弘が清田先生にそう質問をした。
「そうだよ。元々そういう学校だったからね」
「それなのに、どうして3階建てにしたんですか?」
続いて幸生が聞く。
「障害者といっても程度があるからね。しっかり体を動かすことで日常生活を取り戻すことができる子もいた。そんな子たちは3階の教室で勉強をしていたんだよ」
事務の清田先生はパソコン作業を途中で止めて廊下まで出てきてくれた。
頭部は随分寂しくなってきていて、お腹もポッコリと出ている。
しかし眼鏡の奥のたれ目が可愛らしくて、女子生徒からは祖父のような存在として好かれていた。
「あのエレベーターはもう20年は使われてないよ」
清田先生にあたしたちは目を見交わせた。
それほど昔の話になるとは思っていなかった。
「ちょうど新校舎が建て増しされた時に使用禁止になったから、そのくらいだね」
そういえば入学してすぐの頃、新校舎設立20周年というイベントを全校生徒で開催していたっけ。
「昔は障害者の生徒さんたちが多くいたんですよね?」
充弘が清田先生にそう質問をした。
「そうだよ。元々そういう学校だったからね」
「それなのに、どうして3階建てにしたんですか?」
続いて幸生が聞く。
「障害者といっても程度があるからね。しっかり体を動かすことで日常生活を取り戻すことができる子もいた。そんな子たちは3階の教室で勉強をしていたんだよ」