エレベーター
『たぶん、俺はやりすぎたんだ。エレベーターの前で『出て来い!』って怒鳴ったり、扉を蹴とばしたりしたから』


「どうしてそんなことをしたの!?」


あたしは恐怖に震える声で怒鳴っていた。


エレベーターが本当に危険であることは、幸生だって理解していたはずだ。


それを、わざわざ怒らせるようなことするなんて……!!


『どうしても怪奇現象の正体を掴みたかったんだ! そしたら……突然、誰もいなくなった』


幸生の息がまた上がって来た。


今度は恐怖心からだろう。
< 115 / 221 >

この作品をシェア

pagetop