エレベーター
☆☆☆~咲子サイド~

坪井高校へ入学したものの、出席する頻度はそれほど多くなかった。


しかし専用の学校だったこともあり家や病院で課題をすることで出席日数の心配はなかった。


「おはよう咲子ちゃん。今日は調子がいいんだね?」


登校して真っ先に声をかけてくれたのは学校内で1番中の良い英子(エイコ)だった。


英子はあたしと同様に片足がなく、入学した当初からなんとなく親近感のある生徒で、よく会話するようになった。


「おはよう。うん、心配かけてごめんね」


そんな英子と会話するのも、まだ数えるくらいだった。


五体満足じゃないだけでなく体の弱いあたしには毎日学校へ通うという当たり前のことも一苦労だ。


「咲子ちゃんがいない間、また沢山先輩たちが教室へ見に来たよ」


英子の言葉にあたしは首を傾げた。


「先輩たち?」


さっきから言っている通り、あたしはあまり学校に来ていない。


そんな中先輩の知り合いなんてできるわけもなかった。
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