エレベーター
逃げる~咲子サイド~
ハッと我を取り戻した時、エレベーターは3階に到着していた。
扉は開かれていてオレンジ色の光が箱の中にまで差し込んでいる。
あたしは茫然とした状態のまま、ハイハイするようにエレベーターを出た。
いつもそこで待ってくれている充弘と一穂の姿がない。
でも、それよりなにより今自分が見てしまった光景の方が衝撃的で忘れられなかった。
咲子さんの家に来ていたあの男。
あいつが故意に咲子さんを殺したんだ!
嫌がる咲子さんを襲い、更にSOSのボタンを押させなかった!
あの男は咲子さんが息絶えるまで、ジッと見おろし続けていたのだ。
思い出すだけで強い吐き気がしてなかなか立ち上がることができなかった。
でも、事情はすべて理解した。
咲子さんがちゃんと成仏するためには、あの男が罪を償う必要があるんだ。
「充弘、聞こえる?」
スマホへ向かって声をかける。
しかし、返事がない。
扉は開かれていてオレンジ色の光が箱の中にまで差し込んでいる。
あたしは茫然とした状態のまま、ハイハイするようにエレベーターを出た。
いつもそこで待ってくれている充弘と一穂の姿がない。
でも、それよりなにより今自分が見てしまった光景の方が衝撃的で忘れられなかった。
咲子さんの家に来ていたあの男。
あいつが故意に咲子さんを殺したんだ!
嫌がる咲子さんを襲い、更にSOSのボタンを押させなかった!
あの男は咲子さんが息絶えるまで、ジッと見おろし続けていたのだ。
思い出すだけで強い吐き気がしてなかなか立ち上がることができなかった。
でも、事情はすべて理解した。
咲子さんがちゃんと成仏するためには、あの男が罪を償う必要があるんだ。
「充弘、聞こえる?」
スマホへ向かって声をかける。
しかし、返事がない。