春学恋愛部
「挨拶周りだって行っちゃったよ。ねえ、それより柚果ちゃん、何でそんなに落ち着いてるの?」
「え?だって私たちは別に緊張することもないよね」と不思議そうな顔をする柚果に、楽しそうな声で鈴花が口を挟む。
「そんなことないないよ。だって二人は恋人のお父様とお母様にご挨拶だもん。そりゃあ緊張もするよね」
「そんなこと言ったら本当に緊張しちゃうだろ。鈴花ちゃんはそうやってすぐ面白がるから」と、正樹が首を竦める。
完全に他人事な鈴花と違って、着たこともないドレスを着て、のんびりパーティを楽しむつもりだった柚果にとっては一大事だ。
「え、私大丈夫なの?
だから海斗不機嫌だったんじゃないの?
やっぱり紺のワンピースにしとけばよかったー。
こんな派手なドレス着ちゃって、悪い印象持たれるんじゃ……」
青い顔になる柚果に「ドレスは別にいいんじゃない?似合ってるし」と拓馬。
華やかなピンクのドレスは海斗が選んだものとは対照的ではあるけれど、確かに柚果によく似合っていた。
「そうだよ。大丈夫。私の見立てに間違いはないんだから」
鈴花が得意げに笑うと、会場に司会者の声が響いた。
今から院長の挨拶が始まるらしい。
「え?だって私たちは別に緊張することもないよね」と不思議そうな顔をする柚果に、楽しそうな声で鈴花が口を挟む。
「そんなことないないよ。だって二人は恋人のお父様とお母様にご挨拶だもん。そりゃあ緊張もするよね」
「そんなこと言ったら本当に緊張しちゃうだろ。鈴花ちゃんはそうやってすぐ面白がるから」と、正樹が首を竦める。
完全に他人事な鈴花と違って、着たこともないドレスを着て、のんびりパーティを楽しむつもりだった柚果にとっては一大事だ。
「え、私大丈夫なの?
だから海斗不機嫌だったんじゃないの?
やっぱり紺のワンピースにしとけばよかったー。
こんな派手なドレス着ちゃって、悪い印象持たれるんじゃ……」
青い顔になる柚果に「ドレスは別にいいんじゃない?似合ってるし」と拓馬。
華やかなピンクのドレスは海斗が選んだものとは対照的ではあるけれど、確かに柚果によく似合っていた。
「そうだよ。大丈夫。私の見立てに間違いはないんだから」
鈴花が得意げに笑うと、会場に司会者の声が響いた。
今から院長の挨拶が始まるらしい。