春学恋愛部
そのせいで重心がずれて、観覧車が少し傾く。

「わっ」
「きゃっ」
驚いた拓馬は、辛うじて腕をついて身体を支えた。

座っている華と、立ったまま彼女の顔の両脇に腕をついている拓馬。
「「…………」」
いわゆる壁ドン状態である。

「あの! 華ちゃん‼
告白、僕から出来なくてごめん。僕きっと華ちゃんに頼られるような男になるから、だから、ずっと僕の傍にいてください‼ 大好きです‼」

童顔で大きな目で幼く見える拓馬だけれど、真剣な表情になると途端に男らしくなる。

私にとって拓馬くんは十分頼りがいがあるのに、もう、格好よすぎだよ……心の中で呟いてはにかむ華。

「はい」

観覧車が頂点に達するのと同時に、二人の唇が重なった――。
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