春学恋愛部
1年1組。休み時間。

「で、柚果、海原先輩が、『河川敷の君』だったってことだよね?」

鈴花が興味津々で乗り出してくる。

鈴花って黙ってれば美人なのに、野次馬根性半端ないからね、と思いつつ柚果は苦笑いしながら打ち明ける。

「うん。ストラップに舞い上がっちゃって、気付いたら告白してた……」

「そっかー。でも何の気まぐれかわかんないけど、オッケもらえて良かったね」

「気まぐれって……ほんと……その通りか……」

鈴花の言葉に、柚果は肩を落として項垂れる。海斗が柚果のことを知っていたとは思えないし、ただの気まぐれに間違いはないだろう。

「柚果、先輩は今、柚果のことよく知らないけど、これから好きになってもらえばいいんだよ、頑張って!」

明るい声の鈴花に励まされて、柚果は気を取り直すことにした。

そうだ。先輩にとってはただの気まぐれ。
すぐに飽きて振られないように、頑張らなくちゃ。
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