春学恋愛部
「…3…2…1、行くぞ」
柚果が靴箱に滑り込むと、カウントダウンをしていた海斗が背を向けて歩きだしていく。
彼女は急いで靴を履き替え、後に続いた。
「先輩、そういえば、私の名前知ってます?」
「柚木柚果」
「えっ、どうして…?」
まさか覚えているとは思っていなかった柚果は、弾んだ声を上げた。
「Lineフルネームで入れてんじゃねーか。バーカ」
がっくりと肩を落とす様子を横目で見ながら海斗は「分かりやすいやつ……」と独り言を漏らす。
門を出て二人でしばらく歩くが、脚が長いからか柚果はついて行けず、1メートルぐらい離れてしまう。
海斗は振り向かない。
意を決して柚果が上げた「あのっ…」という声はか細く、海斗の耳には届かない。ふと、彼が立ち止まった。
柚果が靴箱に滑り込むと、カウントダウンをしていた海斗が背を向けて歩きだしていく。
彼女は急いで靴を履き替え、後に続いた。
「先輩、そういえば、私の名前知ってます?」
「柚木柚果」
「えっ、どうして…?」
まさか覚えているとは思っていなかった柚果は、弾んだ声を上げた。
「Lineフルネームで入れてんじゃねーか。バーカ」
がっくりと肩を落とす様子を横目で見ながら海斗は「分かりやすいやつ……」と独り言を漏らす。
門を出て二人でしばらく歩くが、脚が長いからか柚果はついて行けず、1メートルぐらい離れてしまう。
海斗は振り向かない。
意を決して柚果が上げた「あのっ…」という声はか細く、海斗の耳には届かない。ふと、彼が立ち止まった。