春学恋愛部
突然のことに驚き、柚果は固まって、動くことも声をだすこともできない。

海斗の舌が唇を割って中に入ろうとするのに対して柚果は力が抜けて拒むことも出来ず、ただじっとしていた。
海斗の手が制服のリボンを外し、ブラジャーの中まで届きそうになる。

(!!)

呆けていた柚果が我にかえった。
海斗を強く突き飛ばし、上ずった声で抗議する柚果。

「な、何で、こんな!こんなの嫌です!」
海斗は涼しい顔で、意地悪そうな笑みまで浮かべている。

「お前、処女だろ?
痛くしないし、優しくしてやるから来いよ」

(なっ…先輩は、私のこと好きでもないくせに。こんなの…こんなの…嫌だ!)
柚果は心の中で叫んだ。

「帰りますっ」
海斗にはやっとのことでそれだけ告げ、柚果は部屋を飛び出して行った。

「何なんだよ、あいつ。俺のこと好きだとか言っといて、訳わかんねぇ」
海斗は呟いて、スマホを取り出した。
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