春学恋愛部
今までの女たちは、他の女を抱いてもいいから彼女でいたいと言っていた。
海斗が不機嫌な顔をすると、ただ只顔色を伺って、機嫌を損ねないようにしていた。

それが、当たり前だった。

「お前、今体重何キロ……?」
「へぇ……?」

柚果は予想外の質問に、変な声を出してしまう。

「だから、何キロ?」
「……75キロです」

何で、彼氏に体重ぶっちゃけなきゃいけないの!?
しかも、振られかけてるこの状況で……。

頭はパニック。
情けなさと恥ずかしさで、うつ向く柚果。

「何か持病あんの? 糖尿病とか…」
「いえ、全くもって、健康体です」
「好きな食べ物は?」
「えーっと、唐揚げと、天ぷらと、酢豚に焼き肉。ケーキとチョコレートと、おはぎにごま団子…」

好きな食べ物のことを考えると、切羽詰まったこの状況も忘れてニヤニヤしてしまう柚果。

「もう、いいや」
わぁ、嬉しそうに食べ物の話なんかしちゃって、絶対振られる……と我に返りあたふたする柚果に対して、海斗は……。
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