春学恋愛部
「俺は、自分に甘いやつが嫌いだ。要するにお前は、好きな物を好きなだけ食べてその体型なんだろ。身体のことも考えず、流行りの服も似合わないと分かってて」

グサリと突き刺さる毒舌にたじろぐけれど、その通りなものだから柚果は何も言い返せない。

「俺に好きになって欲しいと思うなら、お前も変われよ。別に痩せなくてもいい。何か一つ、俺のために努力してみせろよ」

柚果は考える。

確かに今まで、私は好きなことばっかりしてきた。
食べたい物を好きなだけ食べて、嫌いな運動はしなかった。
本当は可愛くオシャレになりたいって思っても、自分には似合わないって決めつけてた。

勉強も中途半端。
先輩は、成績優秀なのは努力してるからなんだ。
オシャレなのも、運動ができるのも。

本当は苦手なことがきっとあるのに、努力してるんだ、そう気づくと、目が覚めた。

「分かりました。私、痩せます! 先輩が、私に夢中になるぐらい、キレイになってみせますから!」
眩しいくらいの強い目で海斗を見つめ、柚果は言い切った。
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